転職する!と思いたったら 看護師転職マニュアル

ベテラン求人アドバイザーが大公開

医療看護ニュース

准看護師の歴史と立ち位置

1a1e08862471b42ac17660a9ee7bd8f0_s

 准看護師の方の転職状況は、ここ10年ほどで一気に厳しいものとなりました。
 まず、7対1の導入により、急性期病院における新規採用が激減。
 さらに、今後拡大が見込まれる在宅医療(訪問看護)においても、准看護師の採用に積極的な法人は、ほとんどありません。そんな状況の中で、どう生き抜いていくべきか?

 ここでは、准看護師資格の成り立ちからはじまり、「こういった職場なら、ニースが高い!」といった転職に関わる具体的な解説までしたいと思います。

1.准看護師とは?

「正看護師」と「准看護師」で資格が2つあることは、一般の方には認知されていません。 私も、看護師転職をサポートする業界に入って、はじめてその存在を知りました。

 何が違うのか、まずはその成り立ちからご説明したいと思います。

・准看護師の歴史
 1951年 准看護婦制度 導入
 終戦間もない1951年に導入された「准看護婦制度」により、准看護師が誕生しました。
 この制度の目的は、正看護師の不足を補うことです。
 当時、正看護師になるには高校卒業後3年間の看護学校に通うことが条件でした。
 しかし、女性の高校進学率が35%であった時代に、その条件は困難なものです。
 看護師不足を憂いた日本医師会の後押しも手伝い、比較的簡単に看護師の業務が出来るように「准看護婦制度」が制定されました。
・准看護師と正看護師の違い
 准看護師と正看護師の違いついては、保健師助産師看護師法に記述があります。
 一番明確に記載があるのは、准看護師の資格を規定する保健師助産師看護師法第六条です。『この法律において「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。』
 准看護師は、正看護師の指示を受けて業務を行うと記述されています。
 一方、正看護師の資格を規定する保健師助産師看護師法第五条には、指示についての記述はありません。
 つまり、正看護師は准看護師に指示を出すことが可能である一方、准看護師は正看護師に指示を出すことはできません。
・准看護師特有の規定による弊害
 上記のとおり法律上、准看護師は正看護師に指示を出すことはできません。
 この保健師助産師看護師法を根拠として、准看護師が看護師の管理者に就くことは認められていません。つまり、看護部長・看護師長といった管理職になるためには、正看護師の資格が必要になります。
 一方で、看護主任に就任することは可能です。主任は「従業員の中で熟練者を指す役職であり、管理職には該当しない」からです。注意しなくてはいけないことは、「准看護師が管理者になること」が不可能なのではなく、「准看護師が正看護師に指示を出すこと」が不可能だという点。つまり、事務員や看護助手、介護師の方々を管理するという形であれば、准看護師でも問題はありません。
・准看護師の今後の扱い
 2013年に神奈川県は准看護師の養成の停止を行いました。これは看護師を減らそうとしているのではなく、これから資格を取得する方には正看護師を取得してもらおうという目的のようです。
 「人手不足の看護業界だから、准看護師でも人手が増えればうれしい!」こう考えるのが普通のことのようにも思えます。
 これは、日本看護協会と日本医師会という二つの団体の考えが異なっていることで、問題がややこしくなっています。
 下記では、それぞれの団体の見解を見ていきましょう。
・日本看護協会の見解
 日本看護協会は准看護師の廃止を提言しており、日本医師会は存続を希望しています。
 日本看護協会は、より一層の専門的技術・知識の必要を考え、かつ看護師全体の地位向上のために、准看護師制度を無くし、資格を統一したいということです。専門技術・知識を身につけてもらいたいから、資格を取得するのに正看護師に統一したいというのは理解できますね。
 看護師の地位向上のために、准看護師を廃止したいというのはどういうことなのでしょうか。それは正看護師と准看護師の免許の管轄の違いによるものです。
 正看護師は国家試験で取得するものであり、厚生労働省の管轄にあります。一方で、准看護師は都道府県知事免許の管轄になります。
 この違いにより、看護協会は看護師の地位向上を訴える際にも管轄の違いにより、スムーズに活動ができなくなっているようです。准看護師の管轄を厚生労働省に移せればいいのでは、という考えもあるかと思いますが、管轄を動かすだけでも多くの時間と費用を要することなので現実的には廃止に向けて動いています。
なんだか、大人の事情のにおいがしますね。笑
・日本医師会の見解
 一方、日本医師会の立場は准看護師の存続を願っています。
 「准看護師の歴史」でもご説明をさせて頂きましたが、准看護師の制度が誕生したのには、日本医師会の後押しがありました。そういった政治的な目的もあるとは思いますが、それだけではありません。
 日本医師会の立場としては、看護師が現場に足りていないことを危惧しています。
 准看護師の養成を停止することは現場に供給される人手が不足することを意味しています。准看護師は、経験を積んだのちに正看護師にキャリアアップを図れればいいということです。
現実の地域医療を担っているのは准看護師や看護助手といった方々の力によるところも大きく、正看護師資格のみにしぼる=難易度が上がることで、ますます地域に根付かなくなってしまうのは困るということです。

いずれにしても、大きな流れとしては准看護師の方にとって厳しい方向に進んでいます。新しくできる看護学校・学部のほとんどは正看護師資格の取得を目的としたものですので、准看護師の割合はますます低くなることは間違いありません。
たしかに、准看護師の方の面談に同席しても、看護部長さんから「正看護師を目指す気はないの?准看護師じゃ、この先大変だよ?」と良く質問されたものです。。准看護師の方にとっては、肩身の狭い時代が続きそうですね。

ページトップへ